Liner notesゆきむら。セルフライナーノーツ
M1 天涯
ゆきむら。として一番最初に出した「ENVY」というEDMチックな曲。あれがみんなのなかで、ゆきむら。といえばこの曲という風になっていったので、今回その「ENVY」を塗り替えたいと渡辺翔さんにオファーして作ってもらったのがこの曲。僕はみなさんが思っているほど紫にこだわりはないんです。「天涯」は「ENVY」を引きずるような曲調でも、メンヘラとか病んでるようなものでもなく、もっと壮大な別の世界観が広がる感じの曲になったと思う。本来自分が届けたかった光、その表現の形は、こういう深海の底のような紺色の海底から見えるキラキラした綺麗な水面のような世界だから、ミュージックビデオもそういう風に作って頂きました。ダークな世界に差す一筋の光という、本来自分が届けたかった光。それを表現したのがこの曲です。
M2 AI
サポートメンバーのSakuさんが、まだ顔合わせもしていなかった時期に、僕のインターネット活動を見て「ゆきむら。さんに似合うからプレゼントしたいんですけど」といって頂いた曲。「愛をテーマに書いた曲なんだよね。作詞とかやってみない?」というのをSakuさんにいわれて。自分は作詞とかそんなに自信があった訳ではないし、僕は作り手さん第一主義なんでそういう提案には引き気味になってしまうんだけど。でも“愛”がテーマなら、僕がリスナーさんとか、いろんな人と生きていくなかで感じることを言葉にするいい機会かなと思って引き受けさせて頂きました。最初は恋愛ソングみたいなものにしようかと思ってたんだけど、どうも筆がのらない。こんなの綺麗事だと思ってしまって。世界に取り残されたひとりぼっちの自分を、最後に誰が抱きしめるのかっていったら自分しかいない。自分自身の過去もいまも未来も、全部抱きしめてあげるのはまず自分。人に何かを与えるのはそれからでいいんじゃないかと思ったんで、自分への餞(はなむけ)みたいな感じで書いていったら、歌詞の中では結局は孤独で。悲しくなりましたね。書いてて。人は、人から観測されない限り自分の存在が分からない。だから、自分は人に愛をあげたい。だけど、あげたとて、世界が回るスピードはなにも変わらないんですよ。それが残酷過ぎて。そう思ったら、人はいましか生きられないのか、愛って脆いってこの歌詞を書いてて思いました。
M3 ロミオとシンデレラ(doriko)
ずっと歌いたいたかった曲の1つ。曲自体が放つ閉鎖的な感覚がすごく刺さって好きなのに、いままで歌ってこなかったのは、僕が歌わなくとも、もっと綺麗にとか可愛らしくとかセクシーに歌い上げる歌い手さんがいっぱいいたから。これまで、憧れのものとしてとっておいたんですけど、いろんな表現をしていくなかで、めちゃくちゃあの少女になりたくなったんです。歌で女性的な表現もしたい、と。少女の乙女心への憧れもありつつ、じつはこの曲、歌詞の量が結構多いんですけど、軽やかに聞こえて、全然幸せそうじゃない女の子像を僕は感じていて。その世界観が“Never ending Nightmare”っぽいなと勝手に感じて、今回歌いました。バンドRECをしているときは、みなさんが自分以上の熱量でいろんな発想をポンポン出しては試していて「めっちゃいい現場じゃん!」と思ってました。原曲をリスペクトした上で、どうやったらゆきむら。の「ロミオとシンデレラ」になるのか。もっと歌謡曲チックにしたらどうか、いや、もっとこっちに振ってみたらいいんじゃないかとか。一番煮詰まったのがこの曲で、何回もああだこうだの紆余曲折がありつつ、落ち着いたのがこのアレンジです。
M4 愛未遂ジェーン・ドゥ
僕は推しと繋がりたくないタイプのオタクなんだけど「誰に曲を書いて欲しい?」といわれたとき、自分が陶酔してきたハロー!プロジェクトで曲を書かれている「大久保薫さんに」といって、孤高のままでいて欲しかった方にオファーをしてしまったんです。自分の強欲さ、その極みです。まさかこれを快諾いただけるなんて思ってもいなかったから、最初ご本人とリモートで打ち合わせしたとき、ゆきむら。、立っちゃいけないステージに立っちゃってんのかと。これが引き寄せの法則、願ったらここまで叶ったりするのかと。それほどのドリームです。曲については「僕はフル無視、大久保薫さん色全開でお願いします。そこに僕がのっかりたいんで」とお願いしました。自分がハロプロにいたらというif世界線への挑戦を望みながら「僕はもしかしたら表現しきれないかもしれない」と思っていたら、大久保さんが「心配は何もいらない。ゆきむら。さんが思ったままのハロプロに対する思い、なりたかったアイドル像をぶつけてくれれば問題ない。僕も本気で作りますから」とおっしゃってくれて。それで、届いたものがあまりにも本家クオリティーだったので、これをゆきむら。が頂いていいのかと思いました。レコーディング中ハロプロのメンバーになったつもりで歌っていたら、周りの方に「つんくチルドレンだね」というのがバレバレになるぐらいハロプロ愛が歌から溢れ出ていたらしく。それぐらい僕も本気で、100%命を削りながら歌えたので、いまは自信を持って「これは自分の曲」といえます。あとは振り付けを頑張って憶えるだけ。
M5 え?あぁ、そう。(蝶々P)
僕は正直、自分がセクシーだと思ったことはないんですが、日頃からこの曲と6曲目の「虎視眈々」はファンからのリクエストでよく上がる曲で、歌うとみんなも“うぁ~“となるし、「歌ってみた」で上げて欲しいといわれる2曲なんです。どこで出そうかなと考えてたんだけど、このアルバムは自分だけの気持ちではなく、ファンのみんなが聞きたい歌。「お前らこういうの好きだろ?」、「俺のこういう声、待ってたんだろ?」というのを入れることで、アルバムを買いたいという気持ちになってくれたらなと思って、このタイミングで歌いました。「え?あぁ、そう。」はとにかく息継ぎが大変な歌なんだけど、僕は「歌ってみた」出身だから、家でRECするときは、自分の好きなようにいくらでも歌はつぎはぎができてしまうんですよ。この歌も、本来ならもっと綺麗に、カッコよく、語尾はもっとセクシーにという風に自分の家でRECしたら、いろいろ小細工してたと思うんだけど。今回はこれがプロの現場という洗礼を浴びた感じで「つるっと1回で歌ってみて。それで苦しいんだったらパンチインするから」といわれ、RECから試されてる気がしたんで「じゃあ歌ってやるよ!」と思って、意地でつるっと歌いました。
M6 虎視眈々(梅とら)
5,6曲目はある意味、ファンサの2曲ではあるんだけれども、これも打ち込みや弾いて下さった方々、いろんな人の音楽に注ぐ愛、関わってくれたミュージシャンの方々の熱量がサウンドに反映されていて。「虎視眈々」のアレンジに関しては「ゆきむら。さん、知ってる?Winkとか。ああいう昭和の歌謡曲をいまの時代のボーカロイド風に落とし込んだのがこの音なんだよ」といわれました。ディレクターさんたちと同じ世代の方々が聴いたら、すぐに分かるような昭和の歌謡曲テイストを感じさせるサウンドのキメパターン、アレンジがあちこちにちりばめてあるみたいで。そこの音作りを最後の最後までこだわって作っていたのが印象的でした。作り手さんの熱い思いが隅々までこもったサウンドになってるので、1回聴くと「あれ?ボカロの音とは違う」というのがすぐに分かると思います。ちょっと軽いんですよ。サウンドが。なんだけど、このバブリーな感じがクセになってハマるという。そういうサウンドにも注目して聴いて欲しい。
M7 反逆ノノロシfeat.ヒゲドライバー
ヒゲドライバーさんは元々好きな作家さん。僕の推しだった嗣永桃子さんがいなくなり、やさぐれてたときに出会ったCheeky Paradeさんというアイドルグループがいるんですけど。現場とかCDを聴いても楽曲に外れがなくて、なぜこんなに楽曲がイケてるんだ、誰が作ってるんだ?って思って調べてみたら、これがヒゲドライバーさんだったんです。オタク心をつかむサウンドのノリ、バイブレーションみたいなものをすごく感じたので、いつかぜひ書いてもらいたいなと思っていて今回お願いしました。僕はカスな人間なんですよ、みたいな感じで、昔なぜアイドルをやってたのかとか、過去に炎上した話とか自分のパーソナルな話をしていたら「結構ロックでいいね」みたいな感じで肯定的に受け止めてくれて。「“死ね”って思うこととか普通にあるし、炎上とか曲にしちゃえばいいんだよ」ってなって。それならヒゲドライバーさんの殴りかかってくるようなバチくそな曲と相性がいいかもってことから、この尖った曲がでてき上がってきたんです。この前の5,6曲目はエロ、今度はまた違う課題がきちゃったよというので、歌はアルバムのなかで一番苦戦しました。汗をかきながらレコーディングしました。普段汗かかない僕が。ライヴ感を重視しながらも、でも別に叫べばいいとかって問題じゃないし。けど、音の厚みにも負けちゃいけないから、いままで出したことがないようなロックで重たい声色で、パワフルに自分が燃えて歌うしかないから、ブースの中でひとりゼーハーゼーハーいいながら歌いました。
M8 ヒバナ(DECO*27)
「ヒバナ」はずっとライヴでも歌ってきてるから、みんなも馴染みがある曲。ライヴだと勢いに任せて発散して歌う曲になってしまうからこそ、これをいまの自分が音源にしたらどうなるのか。当初の歌い方といまの自分の歌い方を聞き比べたらどういう変化があるんだろうと思って、7年ぶりに再RECしました。これも1つの挑戦ですね。それで、レコーディングしたとき、ディレクターさんに雑談っぽく「単刀直入にいまの僕の歌を聴いてどう思いましたか?」と聞いてみたら「昔のゆきむら。は、それこそ女子バレーボール部みたいだった」といわれて。要は、パワフルで、ストレート一発バーンと打ち込むような感じのパッションが溢れていたと。「それはそれで、迷いがない歌声でとても魅力的だったんだけど、いまのゆきむら。は違う」と。「当時は声が若かったよ。いまは成長したのか、色々な深みが出てきたよね」ということをいってくれて。そういうコメントを頂いたことを、いま思い出しました。
M9 アイドル(YOASOBI)
めちゃくちゃ流行った曲。ライヴのセットリストで、お客さんのテンションを下げたくないなと思って、ここで「アイドル」やったら絶対盛り上がるだろうなと思ってやったことがあって。やったら、予想通りめちゃくちゃ盛り上がって。それはそれで良かったんだけど「“アイドル”で超テンション上がった」とか「ゆきむら。、“アイドル”とか歌うんだ!」という意外性も含めて、その日のライヴレビューじゃないけど、ファンの感想が他にもいいところがあったのに「アイドル」がハイライトになっちゃったんですよ。それで「歌ってみた」も上げて欲しいとか、またステージで歌って欲しいみたいな感じにどんどんなっていっちゃって。僕、これを「アイドル」ハラスメントといってるんだけど。もちろんいい曲だしやりたい、けど、そんなにいわれまくると逆にさ、と思って、逆張りでやってこなかったんです。けど、このアルバムを作るときにワンチャン許諾がおりたら、そんなにお前らが聴きたいなら「アイドル」を入れようと思って入れました。このアイドルという単語自体に、僕は自分がアイドルになりたかったこととか、いまはカッコいい、強いみたいな感じでやってる自分、だけど女性的な一面に思い焦がれていたあの頃の自分。もしもの世界線の自分もいたこととかをひっくるめて感じるから、歌うからにはもう、とびっきり多面性を持った「アイドル」を歌おうと思って、コロコロと声色を変えるように努力して歌いました。原作の作品自体もアイドルだけど闇があって、綺麗なだけが正義じゃないという世界なので。そこら辺も重ねて聴いてもらえると、ただキャピりたくて「アイドル」を歌ったんじゃないんだぞという思いが伝わると思います。
M10 Calc. (ジミーサムP)
名曲です。こちらは超私情なんですが、自分が過去にアイドルをコンセプトとしてやっていた新潟のメイドカフェで働いていたとき、そこには簡易的なステージがあって。お客さんは30人ぐらいしかいないんだけど、そこで「歌って欲しい」と自分にリクエストがきたとき、当時ボカロとして好きだった「Calc:」を毎回歌ってたんです。そこで「歌うまいね~」っていってもらったりして。女子高生だったあの頃、メイドカフェで働いてたときの自分が蘇ってくる曲なんですよ。自分があの頃、30人ぐらいのお客さんの前で歌ってた曲を、いま、ガーデンシアターみたいな大きなステージで歌ったら、いったい自分はなにを思うんだろうと。この曲に対しての解釈とかも変わるのかなと思って。個人的にはそういう裏テーマを込めて歌いたかった、僕の思い出ソングです。何年経って聴いても、何回歌ってもいい意味で胸の奥がざわざわするし、なんかこう、グッとくる。歌えば歌うほど、語り継がれれば語り継がれるほど、あの頃のボカロシーンもそうだったけど、いま歌っても普通のJ-POPとして通用するぐらいの名曲。ボカロを超えた曲だと、いまでも僕は思ってます。
M11 ハウトゥー世界征服(Neru)
これも名曲です。出てきたときは、たぶん平成なんだけど。Neruさんが作る曲自体、ちょっと痛いところをついてきて、世間を刺してくるような曲が多いから、この曲も当時聴いたときはそのときなりの自分の解釈があった。だけどこの令和で、それこそ機械的な時代になったいまだからこそ、逆に時代が曲に追いついたように思えて、いま聴いたほうが「鳥肌やばっ」みたいになる。なので、元々好きな曲ではあるんだけど、これをいま自分が歌うことによって、おこがましいんですけど、なんらかのメッセージ性。そういうものが、いまの世代の子たちに刺さればなと思って歌いました。歌ってると自分も寂しいというか、悲しくもなるんだけど、でも僕らは生きていくんだという強さもある。そういう心の叫び感があって、僕にとっては声がなくなるタイプの曲です。語彙ではなく、心で感じる曲だから、変に語りたくないんです。語るとまだうまく言葉にできないから、ペラくなってしまう気がして。だから、浸って聴いて欲しいんです。この感じに。アレンジは本家さんとはかなり変わりました。僕はたまたまこの曲をニコニコ動画のピアノアレンジバージョンで聴いてて、歌うときもなぜかピアノバージョンを選んでいたのでこういう方向性のアレンジになりました。レコーディングのとき、あまりにも浸って歌ってたら、泣きを入れれば泣きが届く訳ではないという話をされて。辛いんだよ、悲しいんだよという声を出してお涙ちょうだいじゃないけど、そういうものを誘う表現は誰しもがでもできるから、ゆきむら。が歌うなら、リスナーが歌詞の意味を一つひとかみ砕いて聴けるようにしっかり歌ったほうがいいんじゃないかというアドバイスを受け、小賢しさは押さえてさらっと歌うよう意識して歌ったのがこれ。いろんな意味で、刺さってくれると嬉しい。
M12 シナリオノート(Saku)
僕の一番近くでコミュニケーションをとってくれてる作曲家さんが作ってくれた曲。バンドのRECのときも「ゆきむら。って休みの日は何してんの?」みたいな、たわいもない話を普通にしてくるんです。陽キャなんですよ。この方。だから、話が面白くて。でも僕はこんなだから「いや…なにもしてないです」って返すんだけど。自分がネットで結構はっちゃけてるのも知ってるから「ゆきむら。それ、キャラなの?どっち?」っていい感じで突っついてきてくれて。「いや。キャラじゃないですけど」とかいうと「ゆきむら。って、しゃべればしゃべるほど面白い。そこは俺、ネットでは気づけなかった」とSakuさんがいってくれて、ハッとしたんですよね。「ゆきむら。はダークだったりロックな曲も似合うけど、なんか自分のなかではしゃべるたびに変わっていくから、そんなゆきむら。を届けていきたいし。知って欲しいよね。みんなが思ってる以上に純粋だし、まっすぐだし。そういうところを表現できたらいいよね」という話がちらっとあって。それでもう1曲、提供して頂いたのがこの曲。ネットで見た僕は重ためだと思うんですけど、Sakuさんと僕が話してるなかで「あれ?重い一面もあるけど、なんかネットで見るゆきむら。とはまたちょっと違って、純粋じゃんこの子」というので、こういう爽やかな曲を書いて下さったんだと思います。あと「声がいいから」というのもいって下さって。色っぽいとか吐息とかイケボとかじゃなくて、ゆきむら。のまっすぐな地声。「このスンとした感じの地声で歌った方が面白いし、もっと届くんじゃないの」というので、僕の地声に合う曲というところも考えて下さって。これ、タイトルはSakuさんなんですけど。タイトルを聴いたとき、真っさらなキャンパスを思い浮かべて。僕はいろいろな偏見も理想も含めて、これまでゆきむら。というものをこだわって考えてきたから、この曲は真っ白すぎてどうやって歌うんだろうってなったときに、さっき話したことをSakuさんがいってたんですよ。なので、レコーディングするときは、すごく前向きに、これも僕なんだって自信を持って歌うことができました。歌い終えて、ブースで聴いたときも「あ、なんだ、俺だ!」って思ったし。しかも、気づいて欲しいほうの自分。光の方の、これまで素直に見せられなかった自分だと思って。リスナーのかたは「シナリオノート」というタイトルだけ見たときは「J-POP?ゆきむら。なんかここでまた路線チェンジ?」と思ってたかもしれないけど、聴いてくれたら、ファンこそ分かると思う。「これ、ネットでいつも無邪気にしゃべってる殿っぽい」って。なので、アルバムの11曲目までの曲はいままでのゆきむら。っぽいんだけど、最後にいい意味でそれがめくれたとき。光のゆきむら。がひょこっと出てくる。そこからまた再び1曲目の「天涯」にいっても「あれ?これもゆきむら。じゃね?」って。「なんだ、これ全部ゆきむら。なんだ」と思ってもらいたくて「シナリオノート」を最後に入れました。
【Bouns Track】 secret base~君がくれたもの~(ZONE)
これはご本家、ZONEさんのカヴァーです。僕はそもそもZONEのMIYUさんに憧れてて、MIYUさんの大ファン。影響しか受けてないです。この曲はいろんな人がcoverしていて、出所はZONEじゃなくてもいいじゃないけど。そういうモードが感じられたことがあって、友達とかに「これはZONEっていうバンドの曲なんだよ」といっても「なにZONEって?」と言われたりして。こうやって良くも悪くも音楽シーンは塗り替えられていくんだというのを目の当たりにしたんだけど。僕はこの曲、ZONEで聴いて育ったんですよ。「ミュージックステーション」でZONEを初めて見たときに、自分と同年代ぐらいの子なのにすごく透き通ってて、でもペラくないし。子供なんだけど女性を感じさせる重みのあるこのヴォーカル、すごいなと思って。いつかMIYUになりたいとまで思ってた時期もあったぐらいZONEが大好きになって。MIYUの声を出したかったんですよ。歌ってるキーは高いのに、聴くと媚びてなくて、キンキンもしない。カラオケで歌えそうって思って、歌ったら「声、高っ!」みたいになる。この深みはなんだろうって思いが、ずっとMIYUの声を聴いて、真似して歌うぐらい憧れだったんです。今回、いきなりこの曲を入れるのは、アルバム『-Never ending Nightmare-』のコンセプト的にどうなのかなと思ったけど。発売も冬だし。でも、ちょっともう自分が我慢できずに入れてしまいました。初の全国流通、もしかしたら本人に届くかも、この愛、とか。僕のそんな欲望とかいろんなものがもう最後押さえられなくなってしまって入れました。